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ヘレン・バンナーマン
(著),
フランク・ドビアス (イラスト),
光吉 夏弥 (翻訳)
税込価格 1,050円 |
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「・・・・」 |
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絶版絵本の復刻 |
絶版から17年。
強いファンの支持もあり蘇った「ちびくろさんぼ」
絶版になりまだ間もない頃、この問題について学んだことを
今でも覚えています。
複雑な経緯があるけれど、この発想といい、お話といい、
子どもの想像力を満足させる素晴らしい作品であることは
間違いないようです。
今、私が読んでもやっぱりワクワクします。
実際に保育園でこの絵本を読んだことはありませんが、
素話にして聞かせたことはあります。
それでも十分たのしめる。
ハラハラ、ドキドキ、笑いありの楽しい作品です。
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子どもの心そのまま |
この絵本の誕生の経緯は、作者のヘレン・バンナーマンがアフリカへ行ったときのアフリカの様子を、子ども達に伝えたくて
書いたお話とされてます。
たしかにアフリカらしさを身近に感じ、子ども達はこの絵本を読んだら、
差別どころかむしろちょっとアフリカに憧れるのでは?と
思うくらいステキな作品です。
絶版になったのは、イラストが黒人を差別している、というのが主な内容でした。
絵本作家でもあった当時の短大の先生は、
「名作であることには間違いないけれど、この絵をみてアフリカの人達が差別だと思うのなら、子どもに与える絵本としてふさわしいとは言えない」と、
明治から昭和初期にかけて、ヨーロッパで描写された日本人のイラストを見せながら、説明していました。
それを見て確かにいい気分はしないけど、
絶版理由として100%納得もできない複雑な思いが今も残ってます。
あれから17年。
時代は変わったと言うのがピッタリします。
なぜ絶版になったかの経緯より、「復刻された素晴らしい!」的な
ニュースが流れているのをみると、
さらに複雑な思いがします。
人種問題の中身は全く解決されず、
望まれて復刊されるちびくろさんぼ。
でも今こそ人権問題について、ちびくろさんぼの復刊と共に、
語られる必要があるのではないでしょうか?
17年間、この作品に触れることができなかった子ども達もいるのですから・・・。 |
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